皆様、確定申告は終わったでしょうか。まだ申告されていない人は、早めに済ませてしまいましょう。かくいう私は、まだまだ終わりが見えない状況で、少し焦っております。今までと状況が変わったので、時間配分の感覚があまりつかめていなく苦戦しております。
先日、確定申告の無料相談会に当番で参加してきましたが、相談内容でいくつか似たものがあり、意外と身近ですがあまり知られていないであろう内容がありましたので、お伝えしようかと思います。キーワードは「特定口座」と「更正の請求」です。
株の売買や投資信託を行うときに源泉徴収ありの特定口座を利用されている方は多いのではないでしょうか。株の譲渡所得や配当所得に対する所得税及び住民税を精算して証券会社等が納付してくれるので、この源泉徴収ありの特定口座に関しては基本的に申告不要というものですね。ただ、株の譲渡でマイナスが発生してそれを繰り越したい場合や、配当所得について配当控除を受けたい場合など一定の場合には確定申告が必要です。申告するかしないかは、株の譲渡所得と配当所得を別々で選択できますし、特定口座が複数ある場合は、それぞれの口座ごとに選択できます。
更正の請求についてはあまり聞きなじみがないかもしれません。これは申告期限後に、申告したものについて計算誤りや国税に関する法律の規定に従っていなかったことにより税額が多すぎた場合に、更正の請求書を提出して納め過ぎた税額を還付してもらう、というものです。ちなみに修正申告というのは逆で、当初申告した税額が計算誤り等で少なかった場合などに行います。
ここで、相談があった内容をまとめると、過去の特定口座は何もしてこなかったが、申告すれば税金が還付される可能性があった、株譲渡のマイナスを繰り越せたと聞いた。過去の分も何年か遡れるらしいがどうなのか、というものでした。
結論から言うと過去の分については更正の請求はできない、ということになります。なぜかというと、更正の請求という手続きは前述のとおり計算誤りなどの時に使えるものであって、特定口座を申告に入れなかったのは計算誤りではないからです。特定口座を申告に入れるか入れないかは納税者が選択できるものであり、当初何もしなかったのは申告不要を選択したとみなされてしまうのです。一度選択して申告したものを、申告期限後に変えることはできないので、今回のご相談内容としては、令和6年分については今から有利な方を選んで申告できますが、過去の特定口座については更正の請求等をすることはできない、という結論になります。
ご自身の申告内容に不安がある方は、事前に税理士等にご相談いただくのが良いと思います。確定申告シーズンであれば税務署や税理士会、商工会などで無料相談会も開催していますので、ぜひ活用してください。
※できるだけ簡潔にわかりやすく説明するため、細かい要件や専門用語の説明部分で省略している箇所があります。
詳しい内容が知りたい方は、お近くの税務署や税理士にお尋ねください。